守月堂 ー今夜も、良い月をー

夜、ふと立ち止まったときに。 ここは、月の灯りがともる場所。 守月堂を舞台に、 月守衆と人間たちの物語を綴っています。 これは、 月に導かれた灯火たちの御伽話。 疲れた夜に、 少しだけ心を休めてもらえたなら幸いです。 ――今夜も、良い月を。

あかりつづり ー文月第二週ー

あかりつづり ー文月第二週ー

 

ー文月第二週ー

 


今週もたくさんの灯りが灯されました。

笑いも、涙も、音も、酒も。

今宵はそのひとつひとつを、少しだけ。

 

 

7月6日(月)

ルナです。今週は文月の手紙物語4部作。その一作目です。息子の武尊くんがお母さんの志保さんに送った手紙。あたしやハルに助っ人をお願いする武尊くんでしたが。胸があったかくなる素敵な手紙でした。

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7月7日(火)

マモルです。昨夜の武尊くんからのお母さんへの手紙を渡す姿を見て、自分も夫の達郎さんに手紙をおねだりする妻の和子さん。急な無茶振りに困惑する達郎さんですが。素敵な夫婦の姿が見れたええ夜でした。手紙物語の第二作です。

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7月8日(水)

ソラです。手紙物語の三作目。和子さんへの達郎さんからの手紙を見て、朱音さんは何を思うのか。そして、朱音さんも手紙を書く決意をする。でもその手紙は、「渡さない手紙」でした。誰に宛てた手紙だったのか。幸せになってほしいなあ、ほんま。

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7月9日(木)

堂主のマモルです。手紙物語の最後の四作目は私からの手紙でした。私が送る手紙の内容は.....何やったんでしょうね?(笑)不思議な守月堂の、月守衆の少し奥のお話です。

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7月10日(金)

レナです。今夜から3日間、同じ夜を「月の旅人さん」「守月衆」そして「月守衆」の3視点での物語を綴っています。そして今夜は「月の旅人さん」視点のお話。初めてこられた若い男性の旅人さん。私に何か伝えようとしてる?

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7月11日(土)

ルナです。今夜は昨日の夜の物語を、「守月衆」のミオさん視点で紡いでいます。いつも通りに楽しい会話をしていたあたしとミオさん。その時、客室では、レナちゃんと若い旅人さんが何やら怪しい雰囲気になってる?そしてそれを見てるのは...?

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7月12日(日)

ハルです。同日譚シリーズ、最後は月守衆視点です。レナ姉が若い旅人さんに思いを打ち明けられている場面を柱の陰から覗いてる人がいます。ほんとにもう。笑

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今週もありがとうございました。

この一週間で灯された想いは

静かに守月堂の記憶に綴られていきます。

今夜も良い月を。

 


守月堂 

堂主マモル 副堂主ソラ

月守 レナ  月守 ハル  月守 ルナ

つきまる

 

 

ソラ「今週はいろいろあったなあ」

レナ「ほんとだね。文月に手紙の物語や、同日譚の物語とか新しい試み、楽しかったね」

ルナ「手紙っていいなあ。あたしも誰かから来ないかなあ?」

ハル「ルナは出さないの?」

ルナ「出さないよぉ。あたしはヨムセンだから」

レナ「ヨムセン??」

ソラ「どうせ、読む専門やろ?略してヨムセン」

ルナ「大当たりっ!!さすがソラさん!」

 

一同「あはははは!」

レナ「まずは自分が出さないとー。そこからだねルナ」

ルナ「えー!レナちゃんちょうだいお手紙!」

レナ「ルナがくれたらね笑」

ルナ「えー!」

 

マモル「はいはい、みんなさっさと閉店片付けやってしまおう。

レナは、いつもの続きしよか?」

レナ「はい、堂主」

ソラ「堂主、例のアレそろそろでっか?」

レナ「もうすぐできるよ。完成したら公開するからね」

ルナ「楽しみにしてるね。じゃあ、ハルお掃除にいこうか!」

ハル「了解!」

ソラ「ほな俺は灯籠消しに行くかー。ほなみんなまた後でな」

一同「はーい」

 

 

また、来週もよろしくお願いします。

 

ハル「なあ、ルナ、アレってなんだ?」

ルナ「わかんない。でもきっと、守月堂にとって大切なことだと思うよ」

ハル「だなー。レナ姉、楽しそうだし!」

ルナ「うん!それが一番嬉しいっ!」

 

おしまい。

 

0712守月堂小噺「べ、別になにもしてへん」

🌕 今回の物語は、前回公開した「月の旅人さん物語①」「守月衆物語①」と同じ夜に起きた、もうひとつの物語です。まだ読まれていない方は、ぜひ先に読んでいただくと、より楽しんでいただけます。

 

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守月堂小噺

「べ、別になんもしてへん」

 

 

こんばんは。月守衆のハルです。

さて、美織さんへの、一口羊羹も準備できたし、のんびりされている月の旅人さんたち

に声でもかけようかな。

 

……んっ?

朧月の間の柱に隠れて、ソラのアニキが中を覗いてる?

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中には若い、月の旅人さん。

相手をしているのはレナ姉。

はぁ……全く、ソラのアニキは。

俺はそっと、背後から声をかけた。

「アーニキ?」

その瞬間、ソラのアニキがビクッと飛び上がる。

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「な、なんやハルかいな!」

「アニキこそ。何してるの?」

「の、覗いてなんかない!店内の見回りや!」

俺は思わず苦笑いする。

「はいはい。気になるんでしょ?」

「そ、そんなことない!ほな見回り行ってくる!」

そう言いながら、アニキはそそくさと去っていった。

俺はその背中を見送りながら、小さく笑う。

「素直じゃないねー。」

 

すると後ろから声がした。

「ほんまに、あかんたれやのう。」

振り返ると、マモルさんが笑っていた。

その隣では、ルナがくすっと笑う。

「周りが気にするよね、あの2人。」

思わず三人で顔を見合わせる。

「あはは!」

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そんな、いつもの守月堂の夜でした。

 

🌕🌕🌕

いかがでしたでしょうか。

今回は、一つの出来事を、

① 月の旅人さんの視点
② 守月衆の視点
③ 守月堂(月守衆)の視点

三つの視点から紡いでみました。

同じ夜でも、見る人が変われば、見える景色も少しずつ変わります。

少しでも楽しんでいただけていたら、嬉しいです。

 

それでは──今夜20時。

あかりつづりー文月第二週ー。

お楽しみに。

 

🌕初めて守月堂にこられた方はこちらをどうぞ。

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守月衆物語①-1「ここで仕事できたらなあ」

守月衆物語①-1「ここで仕事できたらなあ」

 

🌕 今回の物語は、前回公開した「月の旅人さん物語①」と同じ夜に起きた、もうひとつの物語です。まだ読まれていない方は、ぜひ先に読んでいただくと、より楽しんでいただけます。

 

 

 

 

こんばんは、引き続き、宮坂美織です。

堂主さんと別れて、店内に入ると、

ルナっちがいました。

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ルナ「ミオさん、こんばんはー!今夜も月が綺麗だねっ!」

美織「おぉ、ルナっち!今日もかわいいねー!」

ルナ「でしょー?」

美織「否定せんのかいっ!!」

ルナっちと顔を見合わせて笑う。

「あはははは!」

いつもの軽口。
いつもの挨拶。

 

だいたいウチは、朧月の間でのんびりすることが多い。

ただ、今夜は先客がいるみたい。

なんか、レナっちと若いお兄さんが話してる。

……なんか愛の告白みたいなん聞こえたけど、気のせいやろな笑

しかも、ソラっちが柱の陰から覗き見してるみたいやけど……。

まぁ、気付かなかったことにしとこ笑

 

さて。

ルナ「はい、ミオさん!いつもの一口羊羹ね!」

ルナっちがお茶と一口羊羹を縁側まで持ってきてくれる。

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「きたきたっ!もうこれ食べないと、ウチの一日終わらないんよー!」

羊羹をひと口。

「うーん!おいしーー!!!」

ウチのためにハルっちが考案してくれた守月堂一口羊羹。

これが、ほんまに最高なんよ。

「いつも思うんだけどさ。」

「はい?」

「ここに仕事道具持って来れたら、絶対仕事はかどるのになー。」

ルナっちが吹き出した。

「ここまで来て仕事するのー?笑」

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「だってさー!最高の環境やん?めっちゃ集中できるやろしー。こないだも、めっちゃいいデザイン思いついて、ルナっちと書き留めたやん?」

「ありましたねー!」

「そう!ほんでウキウキして持って帰ったら……どこにもあらへん!」

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「暖簾くぐったら消えるからね🩷」

「🩷や、ないってー!」

思わず頭を抱える。

「会心のデザインやったのにー!笑」

「仕方ないですよ。だって……」

ルナっちが言いかけたところで、ウチは笑いながら手を上げた。

「守月堂だからー、やろー?」

「だいせいかーーーい!」

「もう耳タコやでー!」

二人でまた大笑いする。

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ひとしきり笑ったあと、ウチは縁側から静かな月を見上げた。

「でもな、ルナっち。」

「どうしました?」

「確かにな、なにも持って帰られへん。でもさ、ここで思ったこと、見たこと、記憶に灯したこと。みんな、ちゃんとウチの頭の中に残ってる。」

ルナっちも同じように月を見上げる。

「うん。」

「だから、ウチたち守月衆は、本当に幸せやと思う。思い出、普通の人たちより、遥かに多いもん。」

ルナっちは優しく微笑んだ。

「そうですね。あたしたちも、毎日皆さんと過ごせて、本当に幸せですよ🩷」

「だねー!」

しばらく二人で何も話さず、静かな夜空を眺めていた。

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そして、閉店の時間。

「ほな、ルナっち。またね!」

「はい!今夜も、良い月を。」

「良い月を。」

この挨拶も、もう当たり前になってきた。

出口へ向かうと、さっきの若いお兄さんが、レナっちの横にいるソラっちを睨んでたような気がしたけど……。

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……気のせいかな?

いや、確かに睨んでた。笑

あれは....ジェラシーオーラや。笑

 

 

さーて。

家に帰って、寝るかー!

みなさん、今夜も、良い月を。

宮坂美織でした。

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守月衆物語①「宮坂美織」

🌙守月衆(もりつきしゅう)とは、一期一会の「月の旅人さん」と違い、再来店できるために必要な「縁守(えにしもり)」を持つ常連さんたちを指す名前です。

 

 

守月衆物語①

「宮坂美織」

 

こんばんは。守月衆の宮坂美織です。

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私は、ファッションデザイナーをやっています。住んでいるのは奈良県。

でも、仕事は大阪。

守月堂と出会ったのは、その通勤電車でした。

 

仕事終わり。

「あー、疲れたぁ……」

そんなふうに窓の外の月を見上げていた夜、私は守月堂に招かれました。

そこで、私の人生を大きく変える出来事があって、今の私がいます。

それからというもの、仕事帰りの電車の中で、毎日のように守月堂へ。

普通の人は、一日二十四時間。

でも、私たち守月衆って、

一日三十四時間くらいあるような気がするんよね。

あはは。だって、夜に守月堂行って、明け方まで滞在して、現実に戻って来たら、また夜なんだもん。最初の頃は「今日は何曜日やったっけ?」ってパニックになってたなあ!笑

 

そうそう。

ちなみに、「守月衆」って名前をつけたの、私なんです。

だって、守月堂のみんな――月守衆さんたちは、私たちのことを

「守月の旅人」って呼ぶけど、私たちはもう、この場所に根付いてるやん?って。

だから、私たちも守月堂に生きる仲間として、「守月衆」って呼ぶことにしたんです。

ええでしょ?(笑)

……って。

私は誰に話してるんやろ(笑)。

 

さて。

今日も仕事が終わったし。

また今夜も、私のもう一つの家へ帰ろうかな。

私は縁守をそっと握り、静かに目を閉じた。

チリン……。

あ、きた。

私はそっと目を開ける。

マモル
「おお、ミオちゃん。今夜も月が綺麗やな?」

美織
「堂主さん、こんばんは!」

そして、私のもう一つの毎日が、今夜も始まる。

 

今夜20時。

「ここで仕事できたらなあ」

お楽しみに。

 

🌕 今夜の物語は、前回公開した「月の旅人さん物語①」と同じ夜に起きた、もうひとつの物語です。まだ読まれていない方は、ぜひ先に読んでいただくと、より楽しんでいただけます。

 

月の旅人さん物語①ー1「夢の中でも失恋ー??」

🌕月の旅人さんとは、守月堂を一夜だけ訪れる、一期一会のお客様のことです。

 

月の旅人さん物語①-1

「夢の中でも失恋ー??」

 

 

酔っているのか。

夢なのか。

どっちかわからない。

ただ、一つだけ言えることがある。

目の前に、とてつもなく可愛い子がいる。

可愛いと綺麗をあわせ持つ、

最高の女性が目の前にいる。

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俺は彼女に案内されるまま、

店の中へ入った。

 

大きな灯籠のある広間を抜け、

広い中庭を歩き、

こぢんまりとした和室へ案内される。

あちらこちらに人影が見える。

楽しそうな笑い声。

老若男女、いろんなお客さんがいるようだ。

(この夢……リアルすぎない?)

そんなことを考えていると、
先ほどの女性が、お茶とお団子を運んできてくれた。

「あ、ありがとう。」

レナ
「いえいえ。今夜も月が綺麗ですね。」

 

「あ、はい!」

 

レナ
「ふふふっ。そんなに緊張しないでくださいね。」

「今夜はゆっくり月を見て、

心休めてくださいね。」

「あ、はい……。」

その優しい声に、

張りつめていた心が少しずつほどけていく。

 

俺は先日、失恋した。

ずっと片想いだった。

友達のような関係で、いつも一緒にいた。

勇気を出して告白した。

返ってきた言葉は、

「ごめん。彼氏には無理だわ。」

その一言で、

長年の恋は終わった。

そう。

今夜の飲み会は、

親友たちが開いてくれた、

『失恋立ち直れ飲み会』

だったのだ。

 

なのに。

そんな夜に、

俺は出会ってしまった。

最高の女性に!

「あ、あの……レナさん?」

レナ

「はい?どうされました?」

「俺は夢を見てるのでしょうか?」

彼女はクスクスと笑う。

レナ
「はい。夢ですね。」

「ですよね!だって、あなたみたいな綺麗な人と……。」

レナ
「え?今なんて?」

 

俺は完全に舞い上がっていた。

こないだ失恋したばかりなのに。

 

「あ、あの!!」

「俺、一目惚れしました!

俺と付き合ってください!!」

 

俺は手を差し出し、

勢いよく頭を下げた。

昔の恋愛バラエティで、

こんな告白シーンを見た気がする。

ドキドキして、

顔を上げられない。

勇気を振り絞って顔を上げる。

すると――

レナさんは、優しく微笑んでいた。

(ま、まさか……。)

(告白成功!?)

 

レナ
「無理ですねー。」

「……へ?」

レナ
「だって、これ、夢ですもん。」

「へ?」

彼女はクスクス笑う。

レナ
「だって、あなたがさっき、

『これ夢ですよね』って。」

「あはは……。」

「そうでした……。」

「夢かぁ……。」

「そうだよなぁ。」

 

彼女の優しい声が聞こえる。

 

レナ
「でも、嬉しかったですよ。ありがとうございます。」

俺は彼女を見つめる。

レナ
「いつか、私なんかより

もっと素敵な女性に出逢われること、祈ってますね。」

 

「ありがとう。その言葉、嬉しいです。こんな俺でも、出会えるかな?」

レナ

「はい、必ず。

あなたは月に招かれて、ここへ来られたんです。きっと、素敵なご縁がありますよ。

だって、ここには、心の優しい人しか来れないですから」

 

そう言ってレナさんは笑った。

 

「……ありがとう。」

 

 

 

閉店の時間。別れのときーーー。

 

あれから俺は、

レナさんにたくさん話を聞いてもらった。

長年片想いしていたこと。

勇気を出して告白したこと。

失恋したこと。

もう恋なんてするか、と

思っていたこと。

そして。

レナさんに、
一目惚れしたこと。

彼女は、

全部笑顔で聞いてくれた。

出口には、

レナさんが立っていた。

その横には、

髭ヅラでガタイのいい男が立っていたのが、

少しだけ邪魔だったけど。(誰だこの人?)

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レナ
「頑張ってくださいね!」

彼女が手を差し出す。

俺はその手をしっかり握った。

「はい!」

「レナさんに負けないくらい、

素晴らしい女性に出会ってみせます!」

精一杯の強がりだった。

俺は手を振る彼女を見ながら、

暖簾をくぐる。

一瞬の暗転。

そして目を開けると、

夜の公園のベンチに座っていた。

 

 

「ゆ、夢だったんだ……ほんとに。」

空を見上げる。

綺麗な半月が浮かんでいた。

「彼女の名前……なんだったかな。」

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「でも、いい夢だったな。」

「さぁ……帰ろうかな。」

そう言って、

俺は家路についた。

 

 

 


.......その頃、守月堂では。

ソラ
「レナ、お前また、ふったんか?」

レナ
「また、ってなによ?」

ソラ
「だって、お前、今まで撃墜してきた男性の数、半端ないぞ。」

レナ
「仕方ないじゃない。付き合えるわけないし。」

ソラ
「ま、そうだよなー。」

レナ
「でしょ?」

ソラ
「彼の幸せ願って、呑みますか?」

レナ
「いいね。」

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今夜も、良い月を。

 

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月の旅人さん物語①「一目惚れ??」

 

🌕月の旅人さんとは、守月堂を一夜だけ訪れる、一期一会のお客様のことです。

 

月の旅人さん物語

「一目惚れ?」

 

 

あれ……。

俺、確か仕事終わりに同僚と飲みに行って……。

みんなと別れたあと、

少し酔いが回って、

夜の公園のベンチに座って……。

「……ここ、どこだ?」

見覚えのない夜道。

その先には、一軒の和風の建物があった。

暖簾には、

守月堂

と書かれている。

「……しゅ……げつどう?」

 

「ふふっ。」

後ろから、小さく笑う女性の声が聞こえた。

「それは、『もりつきどう』って読むんですよ。」

「え?」

俺は、その声に振り向いた。

 

Σ(°°ll )‼

 

黒髪のストレート。

夜風に揺れる長い髪。

凛としているのに、かわいい笑顔。

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「…………。」

ちょ、ちょっと待って。

誰、この子。

すっごくかわいいんですけどぉー!?

夢……だよな?

夢だよなー!?

「あ、あの……お名前、聞いてもいいですか?」

女性は、にこりと微笑んだ。

レナ
「私は、レナと申します。」

「ようこそ、守月堂へ。」

…………。

ヤバい。

ドキドキしてる俺?

ま、まさか、夢の中で……

俺、この子に一目惚れぇーー??

 

さて、本日より始まりました。

月の旅人さん物語。

いきなりの展開。どうなることやら?

この続きは今夜20時。

月の旅人さん物語①-1

「夢の中でも失恋ー??」

お楽しみに。

守月堂「ご安心ください」

守月堂物語

「ご安心ください」

 

こんばんは。

堂主のマモルです。

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守月堂閉店後。

レナとルナは、守月の湯へ。

ハルは、みんなの夜食作り。

ソラは、閉店後の見回りへ向かっています。

そして私は、自分の離れで静かに筆を取ります。

 

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----様。

私は元気にしておりますよ。

はい。

みんなも元気ですよ。

ソラは相変わらず酒好きですが、

私を支え、月守衆をまとめてくれています。

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レナは、いつも皆をよく見てくれています。

いつも冷静な彼女がいるからこそ、

守月堂は成り立っています。

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ハルは最近、どんどん料理の腕を上げていますね。先日も、守月の旅人さんのために新しい料理を考えてくれました。頼りになる料理人です。

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ルナは相変わらず元気いっぱいですよ。

先日はレナへ髪飾りを作って贈っていました。

工房士としても、ずいぶん腕を上げましたね。

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そういえば。

数か月前から、つきまるが新月の夜だけ人の姿になるようになりました。

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月灯の湖畔にある灯籠が、

何か関係しているのかもしれません。

 

手紙に書かれておりました、

心配されてる私の伴侶の話ですが……

さて、どうでしょう。

一人、気になる方はおりますが、

どうなりますやら。

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守月堂で毎晩、

一期一会の月の旅人さんの力になれるよう、

皆、一生懸命頑張ってくれています。

 

守月の旅人さんたちも、増えてきて

賑やかな毎日を過ごしていますから

どうぞ、ご安心ください。

 

 

----様。

また気が向かれましたら、

月の便りを送ってください。

それでは。

今夜も、良い月を。

 


私は静かに筆を置き、

便箋を丁寧に封筒へしまいました。

そして月を見上げます。

 

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立ち上がると、

ちょうどソラが声をかけてくれました。

ソラ
「堂主ー!」

「一緒に風呂行きませんかー?」

「ハルも待ってますよ!」

私は、思わず笑ってしまいます。

マモル
「ああ。」

「行こうか。」

「すぐに用意するよ。」

私は封筒をつきまるへ手渡しました。

マモル
「そしたら、つきまる。」

「この手紙を、御神木の祠へ頼めるか?」

つきまる

「みゃあーー!」

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嬉しそうに返事をすると、

つきまるは手紙をくわえ、

御神木の祠へ駆けていきました。

私は夜空を見上げます。

今夜も、

月は何も語りません。

それでも。

きっと返事は届いている。

そんな気がしました。

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今夜も、良い月を。🌙

 

ルナ「ハルー!ご飯なにー?」

レナ「お腹すいたねー」

ハル「俺、風呂行ってくるけど、厨房に親子丼をレナ姉の分も作って置いてあるから食べといて!お前のは多いやつな」

ルナ「分かってるねぇー!」

ルナ&ハル「あはははは!」

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ソラ「ほんま賑やかですな毎日」

ソラが笑う。

マモル「あぁ、幸せなことやな」

 

----様。

守月堂は毎日こんな感じです。

私はしっかりここを....守っていきます。